黒門町百番勝負|落語会|金原亭駒平 Official web site

毎月恒例 金原亭駒平の

黒門町 百番勝負

落語協会 2階

〒110-0005
東京都台東区上野1-9-5 落語協会

前売り
当 日
2,000円
2,300円
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黒門町百番勝負

私が噺家に憧れたころ。落研仲間と「どの師匠に弟子入りしたい?」とお互い空想の世界で酒を飲みながら話したものだ。

志ん生は人気はあったが、師匠を背負って銭湯に通っている弟子が居るらしいとか、談志はもっと厳しいとか、志ん朝は弟子を取らないとか曖昧な噂で弟子入りを夢見ていた。

しかし噺家になった友達は結局一人も居ない。半世紀前の弟子入りの敷居はかなり高かったように思える。今は歳をとったせいもあるが、弟子入りの敷居は低くなったように感じる。

それでも噺家になる勇気は今もない。まず修業と言う言葉自体が内容はともかく厳しそうだ。

先日弟子のいる師匠たちと話す機会があった。

「今は本当の修業なんて無いよ。礼儀作法のいろはを教えたらもう二つ目。そこからやっと噺の稽古を本気で始めるような世の中だよ。

だから真打になってから気が付いて落語の修業してるような噺家が多いいんじゃなの。名人は生まれにくいね」と言ったある師匠の言葉が印象的だった。

そう言えば半世紀前は前座でもきらきらしたお弟子さんがたくさん居た。寄席で落語を聴いていたら、知らない通な年寄りが私に話しかけてきて「この子は上手くなるよ」なんて言われたのを思い出す。

さて金原亭駒平は近頃の前座ではかなり私は気に入っていた。今流行りの言葉を使えば「本寸法」の喋りに納得させられたものだ。

その駒平が二つ目昇進と共に「黒門亭」で百番勝負を毎月始めると聞いて、これはすべて聴きに行かねばともう決めている。

今回の演題が「へっつい幽霊」「辰巳の辻占」「新聞記事」だ。

「新聞記事」は別として「へっつい幽霊」も「辰巳の辻占」も師匠の世之介がNHKやその他の賞取り合戦で賞を取った根多で今も十八番にしている演題だ。それに挑戦する気概と恐れ知らずな勢いが新二つ目として嬉しい限りだ。

それにたいがい二つ目の勉強会とくれば根多下ろしの会と相場が決まっているが、当人から聴いたところ

「百番勝負の半分は前座時代に師匠と師匠がこの噺家なら稽古に行って良いと言うお墨付きの先輩から稽古してもらった噺です。

師匠は前座時代に百席目指せと何度も言われてましたが、流石にそこまでは稽古できませんでした。今は前座では寄席では噺せなかった落語をもっと磨きたい一心で稽古してます」

これを聴いてますます応援しようと微力ながら一筆書かせてもらった。落語は難しいとかつまらないと言っている若者たちに落語の素敵さと面白さを是非伝えて欲しい。

またこれから始まる駒平の真打に向かう足跡を是非その目にとどめて欲しい。

演芸評論家 室輪まだこ

今夜たまたま開店日です! 落語ルノルマンカード 百番勝負