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NEWS > 19.4.26 金原亭世之介の会
2019.4.26 18:30 開演(18:00 開場)
金原亭世之介の会
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会場詳細
〒171-0021
東京都豊島区西池袋1-23-1
エルクルーセビル地下2階

池袋演芸場

4月26日金原亭世之介の会
■ 前売り:2,500円
■ 当 日:2,800円

『水屋の富』
 江戸時代に始まった富くじは元々神社普請の資金集めの為の物で、やがて庶民の一攫千金の夢となって江戸中期に大いに広がった。「突き富」とも言って「本当たり」は一から百まであって、長い錐のようなもので百たび付いたわけですが。一番最初は三百両。以下五回ごとに十両。十回目ごとに二十両。五十回目は二百両。突き留は千両となるように進行した。合間には「平」と言って少額の褒美を貰える形が一般的だったようだ。さて落語の富の場面はこれを省略して演出しているが古今亭志ん生の付き富のシーンの江戸っ子たちの様子はその当時を生き生きと伝えている。「水屋の富」は「宿屋の富」「富久」などの富くじ噺の中にあって極めて私の好きな噺のひとつである。たいがいは富が当たるまでのわくわく感を伝える噺なのだが、富が当たってからの庶民の狼狽を見事に描いた作品は他にはない。今でも高額宝くじに当たった人がはたして幸せに暮らしているかというと結構な割合で苦労をしている話を聞く。平民が大金を手に入れた苦労。サゲの切れも落語のオチとしては秀逸の作品といえる。世之介は亡くなった右朝からこの噺を習ったと聞いたが芸の明るさでは世之介の噺の方が一枚上手かと思う。この頃高座であまりかからないのはサゲが空しいからか、それだけに明るい噺家に演じてもらいたい噺でもある。

『文違い』
 江戸時代の文盲率の低さは世界で有数だったのは、花魁や芸者と恋を語る為には職人でさえ手紙が書けないと成らなかった為にある。「品川心中」や「お見立て」などでお客に手紙を書く花魁の姿が出て来るのもそのためだ。何しろ女を落とす為の「手紙指南所」「代筆屋」が各所にあって江戸っ子はあしげく通って勉強したのだ。そのおかげで読み書きが出来、貸本もおおいに栄えた。文違いの職人、政さんがすらすら花魁の手紙が読めるのもそのためだ。さて世之介は踊りの名取でもあるがその名前を与志寿郎(よしじろう)と名乗っている。多分花魁をも騙す色男の芳次郎を模したのかとふと思う事がある。なにせ芸名も世之介なのですから。 私は世之介の「水屋の富」「文違い」をだいぶ聴いていない。病に倒れてしばらく高座のパワーが落ちていた世之介だが、近頃弟子も増えて当時のパワーが戻ってきたようだ。本日の高座を期待する。

■ 演芸評論家 室輪まだこ

当日の様子はこちら
= 当日の演目 =

金原亭駒平「小粒」
柳亭市若「饅頭怖い」
渡辺裕太「手紙無筆」
金原亭世之介「水屋の富 / 文違い」






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