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NEWS > 20.7.18 井上寄席 その十九
2020.7.18 15:00 配信スタート
井上寄席 その十九
会場詳細はこちら
会場詳細
〒145-0062
東京都大田区北千束3-20-8
スターヴァレーII B1

Goodstock Tokyo

7月18日 第19回 井上寄席
■ 観覧券:1,500円

『井上寄席』
 そもそも井上寄席は世之介が作家として、そして演出家としての井上僚章の才能に惚れ込んだことから始まる。彼の描く物語には人情と人の裏側にあるペーソスがふんだんにちりばめられていて、それは何処か落語に似た世界観が漂っている。多々在る秀作の内、今回世之介が演じる「鋸雪」は特に優れた作品と思っている。古典落語に女の為に何かしてやろうとする男はほとんど出てこない。いや一作もないかもしれない。もちろん女性を口説き落としたいとか女に惚れた男の噺は多いいが、女を支えてやるなんて気丈な男は出てこないのだ。「芝浜」にしろ「子別れ」にしろ「文七元結」にしろ駄目な男を支え続けるのがいつも女だ。つまり男の理想に合わせて女性は描かれてゆく。しかし「鋸雪」は全く逆の存在として男を描いている。弱っていく女房を何とかして遣りたい亭主の愛情。こういった古典落語には無い世界観が井上落語には存在しているのだ。だから井上寄席の高座には多くの女性の役者が落語を喋りに登場する。今回も山崎あかね、柚佳、榎本なりこ。そして世之介の弟子の金原亭杏寿が井上落語に挑戦する。女性の噺家が増えた昨今、女落語家を世に生み出す作品が井上寄席から生み出される予感を感じるのは私だけでは無いだろう。また彼は直感で物語を仕立てて行くのが得意だ。吉川忠英のギター落語などは落語をすでに超え、吉川忠英の世界でしか味わえないアコースティクライブ高座を作り上げている。かねはらっ亭よ~の世界観の演出は脱帽ものだ。安定している山口良一の高座も毎回楽しみのひとつでもある。今回で第十九回という事だそうだ。気が付けばだいぶ時が流れたことになる。私は第一回から欠かさず観ているが確か初めは年に二回ほど公演していた記憶があるから、それを省いても十五年はすでに経っているだろう。サンバやベリーダンス、三浦浩一の寸劇、などなどバラエティにとんだ演出も魅力的だった。今回のように新型コロナ禍で初のオンライン配信落語になってしまったが。また違った意味で井上落語の一皮むける演出を期待している。これから生のステージは難しくなってくるのだが、オンラインでも井上寄席に参加できるのを楽しみに是非チケット予約をしておきたい。

■ 演芸評論家 室輪まだこ



2020.7.18 15:00 配信スタート
井上寄席 その十九
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東京都大田区北千束3-20-8
スターヴァレーII B1

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7月21日金原亭世之介の会



■ 観覧券:1,500円

「井上寄席」

 そもそも井上寄席は世之介が作家として、そして演出家としての井上僚章の才能に惚れ込んだことから始まる。彼の描く物語には人情と人の裏側にあるペーソスがふんだんにちりばめられていて、それは何処か落語に似た世界観が漂っている。多々在る秀作の内、今回世之介が演じる「鋸雪」は特に優れた作品と思っている。古典落語に女の為に何かしてやろうとする男はほとんど出てこない。いや一作もないかもしれない。もちろん女性を口説き落としたいとか女に惚れた男の噺は多いいが、女を支えてやるなんて気丈な男は出てこないのだ。「芝浜」にしろ「子別れ」にしろ「文七元結」にしろ駄目な男を支え続けるのがいつも女だ。つまり男の理想に合わせて女性は描かれてゆく。しかし「鋸雪」は全く逆の存在として男を描いている。弱っていく女房を何とかして遣りたい亭主の愛情。こういった古典落語には無い世界観が井上落語には存在しているのだ。だから井上寄席の高座には多くの女性の役者が落語を喋りに登場する。今回も山崎あかね、柚佳、榎本なりこ。そして世之介の弟子の金原亭杏寿が井上落語に挑戦する。女性の噺家が増えた昨今、女落語家を世に生み出す作品が井上寄席から生み出される予感を感じるのは私だけでは無いだろう。また彼は直感で物語を仕立てて行くのが得意だ。吉川忠英のギター落語などは落語をすでに超え、吉川忠英の世界でしか味わえないアコースティクライブ高座を作り上げている。かねはらっ亭よ~の世界観の演出は脱帽ものだ。安定している山口良一の高座も毎回楽しみのひとつでもある。今回で第十九回という事だそうだ。気が付けばだいぶ時が流れたことになる。私は第一回から欠かさず観ているが確か初めは年に二回ほど公演していた記憶があるから、それを省いても十五年はすでに経っているだろう。サンバやベリーダンス、三浦浩一の寸劇、などなどバラエティにとんだ演出も魅力的だった。今回のように新型コロナ禍で初のオンライン配信落語になってしまったが。また違った意味で井上落語の一皮むける演出を期待している。これから生のステージは難しくなってくるのだが、オンラインでも井上寄席に参加できるのを楽しみに是非チケット予約をしておきたい。

■ 演芸評論家 室輪まだこ







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