動画配信

第一回 志ん生の孫

第一回 志ん生の孫
木戸銭 2,000円
金原亭世之介 profile / Twitter
古今亭菊志ん profile / Twitter
古今亭志ん五 profile / Twitter
前座 金原亭杏寿 profile

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志ん生の孫・志ん生のお血脈 特設ページ

『志ん生の孫』

古今亭志ん生と言う落語のかいぶつを知っている者にとって他の噺家は余りに、もの足りないと思っていた。いやいや落語の底力は素晴らしく、やがて桂文楽、三遊亭圓生、柳家小さんと名人と呼ぶにふさわしい噺家が続々と現れて来る。そして新時代になり、志ん朝、談志を生む。勿論ここには各師匠の血脈を継いだ噺家達が、わんさかいて脈々と芸を伝えていたのだ。

柳朝、圓楽、小三治、名をあげればきりがない。そして志ん生の弟子、十代馬生、圓菊、志ん五もその噺家のひとりである。今回この孫弟子に当たる三人がコロナ禍を機に「志ん生の孫」と言う配信の会を始めるという。落語家らしい毎月中日の十五日に配信というのも良いじゃないか。

さて先代志ん五を志ん朝の弟子と思っている人も多いと思うが、志ん五は志ん生の弟子である。当時志ん生の世話をしていた圓菊が真打ちに昇進するため日暮里の志ん生の家で志ん生の世話をしながら修行したのが志ん五である。世之介は馬生の弟子、菊志んは圓菊、志ん五は師匠の名を継いだ無論志ん生の孫たちだ。

落語と言う芸はとても面白く聞けば聞くほど入門した師匠の芸をどこか伝えていて、新たな芸を作り上げてもその芸の臭いは高座に脈々と伝わっているものだ。しかし志ん生の弟子の中でも異色の芸を追求しあの桂枝雀に影響を与えた圓菊落語、あまりのリアル与太郎を演出して放送禁止にまでなった志ん五の芸、そして志ん生から離れようと努力した馬生の演出。この伝わった芸の三代目たちがどんな覚醒を起こしているのか今からわくわくしている。

落語という芸はいつ開花するかは分からない部分があって、瞬間湯沸かし器のようにパットその存在を表す者もいれば五徳の上の鉄瓶のようにじわじわとその芸を温めて行く者もある。三者三様のまるで接点のないこの三人がどんな会を進めていくのか是非皆さんの目で確かめて欲しい。

■ 演芸評論家 室輪まだこ