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NEWS > 22.1.15 第六回 志ん生の孫
2022.1.15
動画配信 第六回 志ん生の孫




第六回 志ん生の孫

【木戸銭】 2,000円
*出演者サイン入りポストカード付き

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第六回『志ん生の孫』
 戦争の世紀だった昭和の戦後の発展は凄まじかった。それは落語の世界も同様で志ん生、文楽、圓生、小さん、馬生。そして談志、志ん朝。その凄まじい高座はいまだに私の脳裏にもしっかりと残っている。しかしそれはもうノスタルジーであって今を生きる落語ではない。いつまでもその面影を追ってもそこには新たなる落語は生まれてこないのである。今生きている落語を是非聞いて欲しいと思うこの頃である。 さてあっという間に令和も4年目を迎え配信落語「志ん生の孫」も第6回を迎えた。コロナ禍で始まった配信落語だがオミクロンはさて置きコロナも大分収まりつつある様子。世之介から配信プラス有観客の会も考えていると聞いた。是非実現して貰いたいものだ。さて今回の菊志んは「花見小僧」私の好きな「お節徳三郎」の「刀屋」の上である。後半とは随分違う展開で主役は小僧。お嬢さんと徳三郎の二人の間柄を小僧の目を通して面白可笑しく説明していく。菊志んの明るい高座は子供の目から見た二人の場面のデフォルメが、得てして嫌らしくなりがちのシーンを楽しく見せてくれるはずだ。是非聞いてもらいたい一席だ。世之介は「愛宕山」。此の演題を初めて聞いたのは先代文楽であったと記憶している。その後、志ん朝、小朝、世之介と聞き継いで、私の中では噺の展開より高座の美しい所作に魅了された噺のひとつだ。志ん朝師匠にお会いした時『「愛宕山」や「稽古や」など所作の噺は嘘でも型を美しく演じて欲しい。それには踊りの素養は絶対で、形無しの噺は見るに堪えない。だから私は若手の為に住吉や高座舞を協会に作ったんだよ。』と聞いた事がある。悪ふざけの演出ばかりの若手とは違い世之介は踊りも名取で浅茅与志寿郎の名を持つ。美しい所作と現代ギャグの巧さでどこまで笑わせてくれるか今回も楽しみだ。トリは志ん五の「締め込み」泥棒の噺の中でも落語らしい一席。人の良い志ん五ならではのゆったりとした泥棒の演出は世之介や菊志んの途上人物とは一線を画していて温かさを感じる一席である。古今亭一門の落語の巧さを私は江戸っ子の女房にあると思っている。前回の菊志んの「火焔太鼓」とは違う志ん五の「締め込み」の女房の可愛さも見どころのひとつだ。この会がこれからも長く続く事を期待する。

演芸評論家 室輪まだこ



2022.1.15
動画配信  第六回 志ん生の孫




第六回 志ん生の孫




【木戸銭】 2,000円
出演者サイン入りポストカード付き

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第六回「志ん生の孫」

 戦争の世紀だった昭和の戦後の発展は凄まじかった。それは落語の世界も同様で志ん生、文楽、圓生、小さん、馬生。そして談志、志ん朝。その凄まじい高座はいまだに私の脳裏にもしっかりと残っている。しかしそれはもうノスタルジーであって今を生きる落語ではない。いつまでもその面影を追ってもそこには新たなる落語は生まれてこないのである。今生きている落語を是非聞いて欲しいと思うこの頃である。 さてあっという間に令和も4年目を迎え配信落語「志ん生の孫」も第6回を迎えた。コロナ禍で始まった配信落語だがオミクロンはさて置きコロナも大分収まりつつある様子。世之介から配信プラス有観客の会も考えていると聞いた。是非実現して貰いたいものだ。さて今回の菊志んは「花見小僧」私の好きな「お節徳三郎」の「刀屋」の上である。後半とは随分違う展開で主役は小僧。お嬢さんと徳三郎の二人の間柄を小僧の目を通して面白可笑しく説明していく。菊志んの明るい高座は子供の目から見た二人の場面のデフォルメが、得てして嫌らしくなりがちのシーンを楽しく見せてくれるはずだ。是非聞いてもらいたい一席だ。世之介は「愛宕山」。此の演題を初めて聞いたのは先代文楽であったと記憶している。その後、志ん朝、小朝、世之介と聞き継いで、私の中では噺の展開より高座の美しい所作に魅了された噺のひとつだ。志ん朝師匠にお会いした時『「愛宕山」や「稽古や」など所作の噺は嘘でも型を美しく演じて欲しい。それには踊りの素養は絶対で、形無しの噺は見るに堪えない。だから私は若手の為に住吉や高座舞を協会に作ったんだよ。』と聞いた事がある。悪ふざけの演出ばかりの若手とは違い世之介は踊りも名取で浅茅与志寿郎の名を持つ。美しい所作と現代ギャグの巧さでどこまで笑わせてくれるか今回も楽しみだ。トリは志ん五の「締め込み」泥棒の噺の中でも落語らしい一席。人の良い志ん五ならではのゆったりとした泥棒の演出は世之介や菊志んの途上人物とは一線を画していて温かさを感じる一席である。古今亭一門の落語の巧さを私は江戸っ子の女房にあると思っている。前回の菊志んの「火焔太鼓」とは違う志ん五の「締め込み」の女房の可愛さも見どころのひとつだ。この会がこれからも長く続く事を期待する。

演芸評論家 室輪まだこ







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