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NEWS > 22.1.30 金原亭世之介の会
2022.1.30 18:30 開演(18:00 開場)
金原亭世之介の会
会場詳細はこちら
会場詳細
〒171-0021
東京都豊島区西池袋1-23-1
エルクルーセビル地下2階

池袋演芸場

1月30日金原亭世之介の会


【木戸銭】 前売り:2,500円 当日:3,000円


「文七元結」演出の見どころ
 好きな落語をあげろと言われれば必ず入るネタのひとつがこの「文七元結」だ。圓生のまるで大芝居を見たような演出。志ん朝の映画を見終わったような感動。そして先代馬生の小説を読み終えたようなじんわりくる後味。私は最高、珠玉の高座を沢山観て来た。世之介の「文七元結」はある客に言わせると志ん朝のそれに似ていると言うが私はやはり先代馬生に近い気がする。まだ世之介の文七元結を聴いて居ないなら。絶対に聴いてほしい落語のひとつとだと私は言い切れる。それほど彼のこのネタは凄い。世之介はこの噺は扇橋から稽古して貰ったと言っていたが、扇橋の文七元結とは随分違う。よくよく聞いてみたら、世之介が先代の馬生に稽古を頼んだところ「扇橋に稽古を付けた事があるから扇橋から習いなさい。」と言われ扇橋に稽古に行ったそうだ。ところが「馬生師匠の『文七元結』は難しくて稽古して貰ったけど覚えられず圓生師匠の形に変えた。」と言われ、仕方なく先代圓生のかたちで最初は覚えたそうだ。その後真打ちが近い二つ目の頃馬生の形に戻したがやはり馬生の演出は難しく随分苦労したらしい。特に佐野槌の女将の演出はかなり苦労したと聞いた。真打ちに成って志ん朝の家に入り浸っていた頃、志ん朝の芝居の師匠である三木のり平の演出を志ん朝が各所に取り入れている事を聴いてお願いし世之介もそれを加えたそうだ。佐野槌のご内所でのお久を女将より上手に置かれているのもその一つ。上下の振りが一方になって舞台が狭く見えるからお久を上に置いた方が良いとのり平に言われ変えたそうだ。また文七が大川端で五十両の金を貰って握りしめる前に体の外へ五十両を突き出す所作。これこそのり平の演出の凄さだ。五十両の金が体から離れる事によって五十両の価値が大きく見える。細かな箇所まで緻密に演じられている。勿論世之介自身の演出も各所にあってここには書ききれない。是非独演会の高座で見て欲しい。「明烏」は現円楽からの稽古でやはり馬生の形に集約したと世之介が言っていた。吉原を舞台にした二つの噺であるが真反対の面を持つ廓の二席。世之介の十八番舞台。今しか聞けない世之介落語を見逃してはいけない。

演芸評論家 室輪まだこ



2022.1.30 18:30 開演(18:00 開場)
金原亭世之介の会
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〒171-0021
東京都豊島区西池袋1-23-1
エルクルーセビル地下2階

池袋演芸場

1月30日金原亭世之介の会




前売り:2,500円 当日:3,000円



「文七元結」演出の見どころ

 好きな落語をあげろと言われれば必ず入るネタのひとつがこの「文七元結」だ。圓生のまるで大芝居を見たような演出。志ん朝の映画を見終わったような感動。そして先代馬生の小説を読み終えたようなじんわりくる後味。私は最高、珠玉の高座を沢山観て来た。世之介の「文七元結」はある客に言わせると志ん朝のそれに似ていると言うが私はやはり先代馬生に近い気がする。まだ世之介の文七元結を聴いて居ないなら。絶対に聴いてほしい落語のひとつとだと私は言い切れる。それほど彼のこのネタは凄い。世之介はこの噺は扇橋から稽古して貰ったと言っていたが、扇橋の文七元結とは随分違う。よくよく聞いてみたら、世之介が先代の馬生に稽古を頼んだところ「扇橋に稽古を付けた事があるから扇橋から習いなさい。」と言われ扇橋に稽古に行ったそうだ。ところが「馬生師匠の『文七元結』は難しくて稽古して貰ったけど覚えられず圓生師匠の形に変えた。」と言われ、仕方なく先代圓生のかたちで最初は覚えたそうだ。その後真打ちが近い二つ目の頃馬生の形に戻したがやはり馬生の演出は難しく随分苦労したらしい。特に佐野槌の女将の演出はかなり苦労したと聞いた。真打ちに成って志ん朝の家に入り浸っていた頃、志ん朝の芝居の師匠である三木のり平の演出を志ん朝が各所に取り入れている事を聴いてお願いし世之介もそれを加えたそうだ。佐野槌のご内所でのお久を女将より上手に置かれているのもその一つ。上下の振りが一方になって舞台が狭く見えるからお久を上に置いた方が良いとのり平に言われ変えたそうだ。また文七が大川端で五十両の金を貰って握りしめる前に体の外へ五十両を突き出す所作。これこそのり平の演出の凄さだ。五十両の金が体から離れる事によって五十両の価値が大きく見える。細かな箇所まで緻密に演じられている。勿論世之介自身の演出も各所にあってここには書ききれない。是非独演会の高座で見て欲しい。「明烏」は現円楽からの稽古でやはり馬生の形に集約したと世之介が言っていた。吉原を舞台にした二つの噺であるが真反対の面を持つ廓の二席。世之介の十八番舞台。今しか聞けない世之介落語を見逃してはいけない。

演芸評論家 室輪まだこ







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