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NEWS > 22.2.25 第七回 志ん生の孫
2022.2.25
動画配信 第七回 志ん生の孫




第七回 志ん生の孫

【木戸銭】 2,000円
*出演者サイン入りポストカード付き

チケット購入はこちら

『志ん生の孫』が終了する
 数ある落語会が終わるのを落語ファンとして幾度も見て来た。その終わり方はそれぞれで、噺家の死によって無くなってしまったもの。会場の都合で途切れてしまうもの。その会を運営していた世話人が動けなくなって終わるなど、事情はそれぞれだが隆盛を極めた会ほど突然終わってしまうものだ。先日世之介から連絡があって。配信落語『志ん生の孫』を第七回で終了すると言うのだ。世之介は笑っているので、私は不機嫌に「もったいないから続けなよ」と思わず叫んでしまった。よく聞いてみたら配信のみの会を終了して有観客で生配信する会に切り替えると言うのだ。私はほっと胸を撫で下ろした。世代の違う噺家が揃う落語会は中々ない。そんな中「志ん生の孫」は面白い企画だと思っていたからだ。世之介は若く見えるが芸歴五十年近いベテランだ。そこに若手真打ちの志ん五、中堅の菊志んとバラエティに富んだメンバーでの落語はファンにとって実に楽しみだったからだ。これからは場所を変えて大岡山の「ぐっどすとっく落語会」で三月から有観客、生配信をするそうだ。しかしこのところのオミクロン株のコロナの勢いは凄まじい。まあ今月は配信のみの落語が無難かもしれない。今回の志ん五は新作で勝負する。「お父さんのキャンプ」は平山智恵子作の昨年落語協会の新作落語台本募集で優秀賞を取った作品だ。私は昨年の12月10日にお江戸日本橋亭で生で聴いたが、志ん五の朴訥とした喋りがこんなに心地よく落語に反映するとは驚かされた。得てして新作を喋る噺家達は奇声を時折入れて勢いで持って行こうとするが志ん五のそれは真逆。良い出来だった。志ん五の腕が優秀賞に導いたと言っても過言ではないだろう。今回も期待している。菊志んは「芝居の喧嘩」。私の好きな落語のひとつだ。今流行の三谷幸喜監督の作品はこの落語の演出をモチーフにしたものが随分あると思っている。何処までも何処までもどんどん膨らんでいく物語。楽しいジェットコースター落語だ。幡随院長兵衛を知らなくても楽しめる講談仕立ての噺で私は春風亭一朝の高座が好きだが、今回の菊志んの高座を聴いてまた一人大好きな「芝居の喧嘩」が出来たと思った。容姿とは裏腹に辛口な菊志んの高座は最後まで客をどこか小ばかにして噺を進めていく。この勢いがないとこの噺はもたないのだ。一度菊志ん落語に染まって欲しい一席だ。世之介の「宮戸川」はすでに二つ目の時から逸品であった。先代馬楽がわざわざ呼び止めて世之介の「宮戸川」を褒めた話は懐かしい。何しろ船宿の娘「お花」の演出が良い。得てしてどの噺家も「お花」を積極的な娘に描きがちだが世之介の「お花」は可愛い。女と言う生き物はそう言うものだと私も思う。可愛い振りをして男を落とすのだ。その辺が世之介落語の深みだと思う。最後の配信「志ん生の孫」は配信予約してくれた方に三人、三枚のサイン入りポストカードが付いて来るらしい。それも楽しみに今回は予約したい。おっと付け加えておこう。近ごろ世之介の弟子たちが良い。前座も楽しみに配信落語を予約して貰いたい。

演芸評論家 室輪まだこ



2022.2.25
動画配信  第七回 志ん生の孫




第七回 志ん生の孫




【木戸銭】 2,000円
出演者サイン入りポストカード付き

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『志ん生の孫』が終了する

 数ある落語会が終わるのを落語ファンとして幾度も見て来た。その終わり方はそれぞれで、噺家の死によって無くなってしまったもの。会場の都合で途切れてしまうもの。その会を運営していた世話人が動けなくなって終わるなど、事情はそれぞれだが隆盛を極めた会ほど突然終わってしまうものだ。先日世之介から連絡があって。配信落語『志ん生の孫』を第七回で終了すると言うのだ。世之介は笑っているので、私は不機嫌に「もったいないから続けなよ」と思わず叫んでしまった。よく聞いてみたら配信のみの会を終了して有観客で生配信する会に切り替えると言うのだ。私はほっと胸を撫で下ろした。世代の違う噺家が揃う落語会は中々ない。そんな中「志ん生の孫」は面白い企画だと思っていたからだ。世之介は若く見えるが芸歴五十年近いベテランだ。そこに若手真打ちの志ん五、中堅の菊志んとバラエティに富んだメンバーでの落語はファンにとって実に楽しみだったからだ。これからは場所を変えて大岡山の「ぐっどすとっく落語会」で三月から有観客、生配信をするそうだ。しかしこのところのオミクロン株のコロナの勢いは凄まじい。まあ今月は配信のみの落語が無難かもしれない。今回の志ん五は新作で勝負する。「お父さんのキャンプ」は平山智恵子作の昨年落語協会の新作落語台本募集で優秀賞を取った作品だ。私は昨年の12月10日にお江戸日本橋亭で生で聴いたが、志ん五の朴訥とした喋りがこんなに心地よく落語に反映するとは驚かされた。得てして新作を喋る噺家達は奇声を時折入れて勢いで持って行こうとするが志ん五のそれは真逆。良い出来だった。志ん五の腕が優秀賞に導いたと言っても過言ではないだろう。今回も期待している。菊志んは「芝居の喧嘩」。私の好きな落語のひとつだ。今流行の三谷幸喜監督の作品はこの落語の演出をモチーフにしたものが随分あると思っている。何処までも何処までもどんどん膨らんでいく物語。楽しいジェットコースター落語だ。幡随院長兵衛を知らなくても楽しめる講談仕立ての噺で私は春風亭一朝の高座が好きだが、今回の菊志んの高座を聴いてまた一人大好きな「芝居の喧嘩」が出来たと思った。容姿とは裏腹に辛口な菊志んの高座は最後まで客をどこか小ばかにして噺を進めていく。この勢いがないとこの噺はもたないのだ。一度菊志ん落語に染まって欲しい一席だ。世之介の「宮戸川」はすでに二つ目の時から逸品であった。先代馬楽がわざわざ呼び止めて世之介の「宮戸川」を褒めた話は懐かしい。何しろ船宿の娘「お花」の演出が良い。得てしてどの噺家も「お花」を積極的な娘に描きがちだが世之介の「お花」は可愛い。女と言う生き物はそう言うものだと私も思う。可愛い振りをして男を落とすのだ。その辺が世之介落語の深みだと思う。最後の配信「志ん生の孫」は配信予約してくれた方に三人、三枚のサイン入りポストカードが付いて来るらしい。それも楽しみに今回は予約したい。おっと付け加えておこう。近ごろ世之介の弟子たちが良い。前座も楽しみに配信落語を予約して貰いたい。

演芸評論家 室輪まだこ







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