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NEWS > 22.4.27 金原亭世之介の会
2022.4.27 18:30 開演(18:00 開場)
金原亭世之介の会
会場詳細はこちら
会場詳細
〒171-0021
東京都豊島区西池袋1-23-1
エルクルーセビル地下2階

池袋演芸場

4月27日金原亭世之介の会


【木戸銭】 前売り:2,500円 当日:3,000円


「たちきり」と「粗忽の釘」
 噺家とお笑いタレントの違いは、徒弟制度の中での伝統文化継承だと私は思っている。ここでそれを論ずるつもりは無いが我々が噺家さんのネタについてインタビューするとたいがいその事から始まって書くことに事足りない事は無い。どんな師匠も必ず「この噺は誰それ師匠から教わったもので、」とネタの出所と稽古を受けたエピソードがあるものだ。近ごろはCDなどで勝手に覚えて高座に掛ける落研まがいの噺家も増えたが、それも時代なのかもしれない。 さて世之介の「たちきり」は入船亭扇橋から二つ目に成り立てに習ったものだと聞いた。稽古を付けて貰うため出始めの「柿」を師匠に持って行ったら俳人でもある扇橋が大変喜んで俳句と柿について落語の稽古そっちのけで話し始め、中々稽古して貰えなかったと話してくれた。もしかしたら世之介が俳句にはまるきっかけをその時扇橋が作ったのかもしれない。時に世之介の「たちきり」は久しぶりに聞く。関西の面白さを足したくて以前亡くなった桂文枝に稽古を乞うてから習い直して演じていると言っていた。あれからもう何十年も経つ。先日「弟子に稽古する為やり直してみたら年齢のせいか、扇橋の演出が今の僕には合っているようだ。今度昔に戻して高座かけようと思っている。」と言っていたのが今回のようだ。先月テレ朝動画のWAGEIで弟子の杏寿が芸者姿で「たちきり」を演じてるのを見た。前座とは思えない出来に驚かされたが、多分稽古は世之介がしたものだろう。その時の稽古で世之介も高座にかけてみたいと思ったのかもしれない。「粗忽の釘」は先代柳朝に鈴本演芸場の地下の稽古場で数人一緒に稽古して貰ったものだと言っていた。柳朝は八つぁんが打った釘が観音様の股間から飛び出していて「お宅の観音様は男かい」とサゲで振ることもあったそうだが、「お前たちが大人になったらやっても良いよ。」と言われたそうだ。柳朝師の大人って幾つなのだろうと世之介は言っていたが、間違いなく今の世之介は大人だろうから今回聞けるかもしれない。世之介の「粗忽の釘」はよく聞いたがここ数年では久しぶりで楽しみにしている。笑いの多い噺と人情噺の組み合わせ。世間では他国への侵攻など悲しいニュースが多い最中是非世之介の独演会で笑ってほしい。

演芸評論家 室輪まだこ



2022.4.27 18:30 開演(18:00 開場)
金原亭世之介の会
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〒171-0021
東京都豊島区西池袋1-23-1
エルクルーセビル地下2階

池袋演芸場

4月27日金原亭世之介の会




前売り:2,500円 当日:3,000円



「たちきり」と「粗忽の釘」

 噺家とお笑いタレントの違いは、徒弟制度の中での伝統文化継承だと私は思っている。ここでそれを論ずるつもりは無いが我々が噺家さんのネタについてインタビューするとたいがいその事から始まって書くことに事足りない事は無い。どんな師匠も必ず「この噺は誰それ師匠から教わったもので、」とネタの出所と稽古を受けたエピソードがあるものだ。近ごろはCDなどで勝手に覚えて高座に掛ける落研まがいの噺家も増えたが、それも時代なのかもしれない。 さて世之介の「たちきり」は入船亭扇橋から二つ目に成り立てに習ったものだと聞いた。稽古を付けて貰うため出始めの「柿」を師匠に持って行ったら俳人でもある扇橋が大変喜んで俳句と柿について落語の稽古そっちのけで話し始め、中々稽古して貰えなかったと話してくれた。もしかしたら世之介が俳句にはまるきっかけをその時扇橋が作ったのかもしれない。時に世之介の「たちきり」は久しぶりに聞く。関西の面白さを足したくて以前亡くなった桂文枝に稽古を乞うてから習い直して演じていると言っていた。あれからもう何十年も経つ。先日「弟子に稽古する為やり直してみたら年齢のせいか、扇橋の演出が今の僕には合っているようだ。今度昔に戻して高座かけようと思っている。」と言っていたのが今回のようだ。先月テレ朝動画のWAGEIで弟子の杏寿が芸者姿で「たちきり」を演じてるのを見た。前座とは思えない出来に驚かされたが、多分稽古は世之介がしたものだろう。その時の稽古で世之介も高座にかけてみたいと思ったのかもしれない。「粗忽の釘」は先代柳朝に鈴本演芸場の地下の稽古場で数人一緒に稽古して貰ったものだと言っていた。柳朝は八つぁんが打った釘が観音様の股間から飛び出していて「お宅の観音様は男かい」とサゲで振ることもあったそうだが、「お前たちが大人になったらやっても良いよ。」と言われたそうだ。柳朝師の大人って幾つなのだろうと世之介は言っていたが、間違いなく今の世之介は大人だろうから今回聞けるかもしれない。世之介の「粗忽の釘」はよく聞いたがここ数年では久しぶりで楽しみにしている。笑いの多い噺と人情噺の組み合わせ。世間では他国への侵攻など悲しいニュースが多い最中是非世之介の独演会で笑ってほしい。

演芸評論家 室輪まだこ







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