キングプロダクション HOME


NEWS

TALENT

ABOUT

チケット予約
お問合せ

NEWS > 22.5.25 第三回 志ん生のお血脈 初音家左橋
2022.5.25
動画配信 第三回 志ん生のお血脈 初音家左橋




第三回 志ん生のお血脈 初音家左橋

【木戸銭】 2,000円
*初音家左橋 サイン入りポストカード付き

チケット購入はこちら

『初音家左橋と金原亭世之介』
 落語家は一門の兄弟弟子同士より楽屋で一緒に働いた同期前座の方が仲の良い噺家が多いように感じる。先代馬生の弟子たちは他の一門に比べが良い。それも若い頃から、そして年齢を重ねても外から見てかなり良いように見える。それは育てた師匠のおかげと言うよりも御かみさんの力かもしれない。今回のトークコーナーを聴いても世之介と左橋は随分と若い頃から寝食を共にし仕事をし遊んでもいたようだ。失礼修行を重ねていたようだ。そとから見ていて羨ましい対談だった。さて左橋が小駒の頃から私は落語を聴いているが今回の左橋の演目「妾馬」は、芸歴と年齢が創る技術は大した物だと痛感した。噺がこなれていると言うのはこういう事かと感心した。若い頃の無理やり笑いを取りに行く演出から抜け出し、軽くいなしながら八五郎の泣かせ処に焦点を絞っていく。このあたりは目を見張った。多分この噺を聞いて思わず涙している視聴者が何人も居るに違いない。無観客の高座がそうさせたのならばコロナも人を駄目にしているばかりでなく芸も育てていると満更ではない。世之介の「へっつい幽霊」は彼の十八番だ。この会は演題をあらかじめ決めて高座に上っている訳では無いのだが弟弟子の左橋に負けないように兄弟子の見栄で選んだ演目だろう。もう彼の「へっつい幽霊」は10回以上は聴いているが、今回の高座はより丁寧な演出だった。特に目線の動きがお座成りでなく決まっていた。落語はそのままで創造を観客に与えるが、シネマの目線でこの高座を見ていると、次のカットとカメラの位置が容易に想像できる。そんな高座だった。幽霊の長兵衛の微妙な高低の動きもたまらない演出であったと思う。コロナ禍以前であれば間違いなく拍手喝采であったろう。 前座の金原亭杏寿は「平林」コミカルな題材であるから喋りの間が実は大変難しい噺だ。前座の噺はあまり評論したりしないのだが、このところ朝ドラや紙面で人気の高まってきている杏寿だけに思わず注目して聴かせてもらった。久しぶりに聞いた高座はまあまあの仕上がりだったと思う。上手くなったと言う事だ。しかしまだまだ課題は山積みだ。前座の上手いと二つ目のヘタが交互する世界。これから落語界を背負って行く女子噺家の一人として我々を驚かせて欲しい。

演芸評論家 室輪まだこ



2022.5.25
動画配信  第三回 志ん生のお血脈  初音家左橋




第三回 志ん生のお血脈 初音家左橋




【木戸銭】 2,000円
初音家左橋サイン入りポストカード付き

チケット購入はこちら


「初音家左橋と金原亭世之介」

 落語家は一門の兄弟弟子同士より楽屋で一緒に働いた同期前座の方が仲の良い噺家が多いように感じる。先代馬生の弟子たちは他の一門に比べが良い。それも若い頃から、そして年齢を重ねても外から見てかなり良いように見える。それは育てた師匠のおかげと言うよりも御かみさんの力かもしれない。今回のトークコーナーを聴いても世之介と左橋は随分と若い頃から寝食を共にし仕事をし遊んでもいたようだ。失礼修行を重ねていたようだ。そとから見ていて羨ましい対談だった。さて左橋が小駒の頃から私は落語を聴いているが今回の左橋の演目「妾馬」は、芸歴と年齢が創る技術は大した物だと痛感した。噺がこなれていると言うのはこういう事かと感心した。若い頃の無理やり笑いを取りに行く演出から抜け出し、軽くいなしながら八五郎の泣かせ処に焦点を絞っていく。このあたりは目を見張った。多分この噺を聞いて思わず涙している視聴者が何人も居るに違いない。無観客の高座がそうさせたのならばコロナも人を駄目にしているばかりでなく芸も育てていると満更ではない。世之介の「へっつい幽霊」は彼の十八番だ。この会は演題をあらかじめ決めて高座に上っている訳では無いのだが弟弟子の左橋に負けないように兄弟子の見栄で選んだ演目だろう。もう彼の「へっつい幽霊」は10回以上は聴いているが、今回の高座はより丁寧な演出だった。特に目線の動きがお座成りでなく決まっていた。落語はそのままで創造を観客に与えるが、シネマの目線でこの高座を見ていると、次のカットとカメラの位置が容易に想像できる。そんな高座だった。幽霊の長兵衛の微妙な高低の動きもたまらない演出であったと思う。コロナ禍以前であれば間違いなく拍手喝采であったろう。 前座の金原亭杏寿は「平林」コミカルな題材であるから喋りの間が実は大変難しい噺だ。前座の噺はあまり評論したりしないのだが、このところ朝ドラや紙面で人気の高まってきている杏寿だけに思わず注目して聴かせてもらった。久しぶりに聞いた高座はまあまあの仕上がりだったと思う。上手くなったと言う事だ。しかしまだまだ課題は山積みだ。前座の上手いと二つ目のヘタが交互する世界。これから落語界を背負って行く女子噺家の一人として我々を驚かせて欲しい。

演芸評論家 室輪まだこ







© 2022 by Copyright.KingProduction.Inc.