定席の老舗『新宿末廣亭』が
落語ルノルマンカードの
協力となりました!
新宿末廣亭の心意気
『落語』の振興・普及に長く第一線で貢献してきた老舗の寄席『新宿末廣亭』。
そんな新宿末廣亭が、『落語ルノルマンカード』の制作理念に共鳴。協力として参加いただけることになりました。
完成したカードは新宿末廣亭でも販売予定。
『落語ルノルマンカード』をきっかけに、より多くの方々が寄席に足を運んでくださることを願っています。
『新宿末廣亭』とは?
新宿末廣亭は、明治30年から続く老舗の寄席。
寄席とは、落語などの古典芸能が演じられる大衆的な演芸場のこと。そのなかで、365日欠かさず落語が上演されている寄席のことを定席といいます。
東京にある定席は4軒。
その中で最も古い寄席が『新宿末廣亭』。唯一の木造建築です。2回の火事を経て、昭和21年に現在の場所に再建されました。
新宿区地域文化財の第一号にも認定されている新宿末廣亭は、その趣深さから、多くのMVやCMに起用されています。
落語がはじめてでも大丈夫?
落語はもっとも身近な伝統芸能と言っても過言ではありません。
365日上演しているし、途中から入場しても、途中で帰っても大丈夫!
小学生にもわかる、そして小学生でも話せちゃう!
落語は、そんな親しみやすく簡単な伝統芸能なのです!
詳しくはこちら
とはいえ、はじめて寄席に行くのは誰でもドキドキするもの。
そんなみなさまに向けて、新宿末廣亭にご協力いただき寄席の中をご紹介!
芸歴50年の落語家、金原亭世之介だから撮影できるレアな情報とともにお届けします。
この記事をご覧になったみなさまの第一歩を後押しできましたら幸甚です。
新宿末廣亭へlet's go!
東京メトロ・都営線の「新宿三丁目駅」から徒歩3分。繁華街のなかに佇む新宿末廣亭。
入り口の上や横には出演者の名前が書かれた看板がずらり。木の日焼けで演者の芸歴がうかがい知れます。
チケットは寄席の入り口にある受付で購入できます。
チケットのこと、また切符売り場のことを「テケツ」と言ったりもします。
予約は不要! 席は自由席、早い者勝ちです。
寄席は12時ごろからの『昼席』と17時ごろからの『夜席』に分かれています。
2回分のチケットを買わなえればいけないかと思いきや...。
実は『昼夜入替なし』となっている場合は、昼からず〜っと夜までいてOKなのです!
お昼から入場料金の3,500円を払って入場すれば、夜までず〜っと落語や色物(マジックや曲芸など)を見放題!
これぞ、間口のひろ〜い伝統芸能の真骨頂といったところでしょうか。(再入場はできないのでご注意ください!)
それに、お酒類以外の飲食が可能! 持ち込みもOK! 売店でも購入できますよ!
※ 上記の情報は2025年9月25日現在のものです。ご来場の前にこちらで最新情報をご確認ください。
なかなか知られていませんが、新宿末廣亭には二階席が存在します!
現在は一階席が満席になると、二階席へ案内してもらえるとのこと。
ご案内される機会があれば、ぜひとも二階から寄席を堪能してみてください。
新宿末廣亭のウラがわ
さてさて、ここからは普段はなかなか覗くことができない “新宿末廣亭のウラがわ” をご紹介しましょう。
こちらが新宿末廣亭の楽屋です。
中央には今どき珍しい火鉢。左奥、太鼓の脇に座っているのはタテ前座。
“タテ前座” は間も無く二ツ目の、前座の中でキャリアが一番上の前座です。
火鉢のまわりの座布団は、偉い人から座る位置が決まっています。
柱を背にした鏡の横の奥の席が一番偉い人の席です。そこから時計回りにだんだんキャリアが下がります。
この席に歴代の大名人たちが座ってきたんですね。
寒い日は火鉢に火が入ります。昔は夏でも火鉢に火を入れていました。
右手に座っているのはお囃子さん。
なんと、寄席の出囃子(出演者の登場テーマソング)は生演奏なのです。
太鼓は前座が、三味線はお囃子さんが演奏します。
実は、障子の穴は覗き穴にもなっています。
落語家全員、一人ひとり違う出囃子を持っているので、出囃子で誰が出てくるかわかったりします。
世之介の出囃子は1768年頃に作られた長歌『文の便り(吉原雀より)』。
そして、落語ルノルマンカードのアンバサダーを務める金原亭駒平は、幼馴染で歌手の阿部真央の『I wanna see you』。
古典からJ-popまで、さまざまな出囃子が聴けるところも寄席の魅力の一つですね。
さて、楽屋の隅には “わらじ” が吊るされています。
落語のネタに『ぞろぞろ』という噺があります。店に吊っていた “わらじ” が、売っても売ってもぞろぞろ生えてきて、お店みせが繁盛する、という話です。
それにあやかって、新宿末廣亭も繁盛するように、という願いを込めて “わらじ” が吊るされているんです。
新宿末廣亭のヒミツ
......ここからは、若い落語家たちも知らないかもしれない? ヒミツをみなさまにお教えしちゃいましょう。
楽屋の奥には急な階段があります。
この階段は二階の楽屋に続いているのですが...。
実は秘密の入り口がついているのです。
それがこちら。
現在は閉鎖中のドアですが、ここはどこへ続いているのかというと...
なんと、新宿末廣亭のちょうど真裏にある『喫茶 楽屋』につながっているのです!
もともと楽屋として使われていたところを喫茶店にした、というのが店名の由来。
昭和の時代はまだドアが解放されていて、落語家たちが高座の合間に一服していた、なんていう光景もありました。
とはいえ、現在でも落語家をはじめとした寄席の芸人が出入りをしているこのお店。
世之介も新宿末廣亭に出番のある時には頻繁に出入りをしています。
店内のお品書きは、寄席文字を創った名人・橘右近師匠とその一番弟子の橘左近師匠のもの。
ちなみに『落語ルノルマンカード』の寄席文字を担当するのは、寄席文字を創った名人・橘右近師匠の弟子である橘右橘師匠。橘左近師匠とは兄弟弟子(同じ師匠の元にいる弟子同士)です。
イギリスの老舗陶磁器ブランド『WEDGWOOD』のコーヒーの器もおしゃれ。
新宿末廣亭へお越しの際は、『喫茶 楽屋』へ、ぜひお立ち寄りください!
さいごに
いかがだったでしょうか?
たくさんの魅力が詰まった新宿末廣亭。落語デビューなら、ぜひ新宿末廣亭へ!
このページをきっかけに、より多くの方々が寄席に足を運んでくださることを願っています。
