(18:00 開場)

天狗連参る 其の拾

会場詳細はこちら

会場詳細

〒111-0032
東京都台東区浅草1-43-12
浅草六区交番前

浅草 東洋館
落語 天狗連参る 其の拾
天狗連 志ん進 日出郎
天狗連 志ん喜 神木優
天狗連 俳遊 渡辺裕太
天狗連 鳩太郎 フォーンクルック幹治
天狗連 忞々丸 安川純平
前田隆成
指導・プロデュース:金原亭世之介
金原亭駒平
■ 前売り 4,000円
■ 当日 4,500円

前売り券の販売は
終了しました。

天狗連参るをもっと詳しく

天狗連参る 特設ページ

『天狗連参る』其の玖

天狗連参る』がいよいよ第十回を迎える。

本職の噺家の落語会も十回を迎えられれば本物。お客様に認知された会と言うだけでなく演者もそれなりの成長をしているものだ。

私もこのバラエティに富んだ落語会が好きで第一回目から足を運んでいるが振り返ってみると演者たちの成長は目を見張るほどだ。

最も第一回目から出演したメンバーが二人も本職の噺家に入門してしまったくらいだからその素質は皆あったのだろう。

今回出演する天狗連志ん喜(神木優)もその一人だが、今はまた役者として活躍しているが落語も本格派だ。

もう一人はこの会ではゲストとなった金原亭駒平だ。昨年二つ目昇進していよいよその本領発揮。「天狗連参る」出身としてきっとその成長を見せつけてくれるに違いない。

以前日出郎(天狗連志ん進 / blog)のSNSに「自分も落語家に成りたかった」と語っていた記憶があるが、「好きこそものの上手なり」の例え通り他のメンバーも落語の腕はどんどん上がってゆくのだろう。

沢山の噺家の成長を見てきた者から言わせてもらうと前座から二つ目になって突然落語の腕が上がる瞬間に何度も立ち会ったことがある。

その時感じたのは、やりたい落語を一生懸命話しているうちは殻を破れない高座なのだが、ある時にお客様に喜んでもらおうという落語に方向が変わった途端にまるで高座に光が差したように噺が変わるのだ。

これは落研や天狗連も一緒で稽古した落語を発表してるうちはどこまでも素人落語から脱しない発表会でしかないのだが、お客様をちゃんと意識した時から高座が変わるのだと思う。

その点「天狗連参る」メンバーはどうやってお客様に喜んでもらおうかと普段から舞台やテレビ番組を踏んでいるタレントたちの高座だからその点では太鼓判である。

さて今回は久々の天狗連忞々丸(安川純平)が帰ってきた。

演題は「転失気」。あの舞台テニスの王子様の天才的な丸井ブン太が皆さんをブンブン魅了するに違いない。

そして前田隆成が二度目の出演。彼も落語家を目指して上京、今は舞台演出もする俳優であり役者だ。

今回は「お見立て」前回彼の高座を聴いたが、酔心するのは談志落語とお見受けした。

世之介の指導を受けての高座はそこに古今亭の味が加わった本格派の高座をどう演出するか楽しみだ。

天狗連俳遊(渡辺裕太)は近頃各所の落語会で活躍していてる評判が私の耳にも入ってきている。

お笑いの売れっ子や噺家の師匠と同じ高座で落語を喋っている。その経験は一番の稽古となっているはず。

今回はいよいよ艶噺に挑戦。今までは滑稽噺に徹していた感があったがやはり役者として「辰巳の辻占」のような噺を私も聴きたいと思っていた。楽しみにしている。

天狗連鳩太郎(フォーンクルック幹治 / Twitter)はベイFM他でDJとして、また舞台役者、コンサートMCと大活躍でミッキーとしての愛称のほうが今や有名だが、持ち前のバイリンガルでの落語もこれから話題になるのは必至のタレントだ。

今回の演題は「欠伸指南」。古今亭志ん生も得意としたこの根多楽しみである。

天狗連志ん喜は「風呂敷」。前回喉を患っていて声が出ないと言って高座に上がったが、逆に今までで最高の落語だった気がする。一皮むけてきたのかもしれない。

そして天狗連志ん進(日出郎 / blog)は「死神」この落語ほど個性の出る古典はないと私は思っていて、この根多にはかなり期待している。

指導をする世之介の「死神」も何度も聴いているがドロッとした中に笑の絶えない演出を得意とする師匠だから志ん進だけにしかできない「死神」がきっと聞けるに違いない。

近年素人落語家の活躍が紙上を賑わしているがこの「天狗連参る」はその中でもすっかり老舗で最高の会だ。

是非この会は見逃してはいけない会のひとつと覚えて欲しい。

■ 演芸評論家 室輪まだこ