世之介が「天狗連の遊びの会ですから来てください」と私にチケットを送って来たのが平成三十年五月。あれから三年。新たな落語の可能性を今ここに感じている。
まさに「天狗連参る」はプロの噺家達への完全な挑戦になった。なぜなら今回はタレントの他に高座名を世之介から貰うというのだ。
世之介は「亭号が『天狗連』ですから素人ですと銘打っている名前ですよ」と笑っていたが、彼らの日々の上達は天狗連と鼻で笑ってはいられない芸となって来ている。これで名前を貰ったら軒を貸して母屋を取られる事にならないか落語ファンとして心配さえしている。
まして日出郎 (blog)は「志ん進」。まるで古今亭の名前を想像させる。
世之介に聴くと笑いながら「日出郎の本名ひっくり返しただけですよ。」と言われた。何でも日出郎の本名は「進志」と書いてシンジと言うのだそうだ。
他のメンバーもそれぞれの名前にちなんだ命名だそうだ。当日口上で世之介が説明すると言っていたので楽しみにしている。
ちなみに神木優は「天狗連 志ん喜」、松井悠は「天狗連 役車」、フォーンクルック幹治 (Twitter/YouTube) は「天狗連 鳩太郎」、砂原健佑は「天狗連 花京」。
本職の噺家も襲名や真打ち昇進で芸が一日にして成長する事がある。命名を受けて天狗連のメンバーもどんな変化をするのか楽しみだ。
これから煌座の座長、煌京一朗や娘の煌乙友羽、宝塚のえまおゆう (blog) 、そして今回は参加しないが渡辺裕太 (blog) 、安川純平の天狗連。彼等から益々目が離せなくなって来た。
今後何が飛び出すか。この現場に居られる喜びを貴方も味あわずして令和で舞台ファンは語れない。
■ 演芸評論家 室輪まだこ